LABORATORY No.7 あなたはまだ肌の可能性を知らないかもしれない。薬学から生まれた革新のエイジングスキンケア

日焼け止め おすすめの選び方 その2

日焼け止めおすすめの選び方 その2 
さて、前回は紫外線とは何か、というところから、その肌への影響、化粧品に表示されている紫外線カット指数からの日焼け止めの選び方についてまでお話ししました。 
 
ところで、インターネットで日焼け止めのことを見てみると
 
「この成分を使っているのはダメだ」
「いや、大丈夫なんだ」
「むしろこっちの成分も危ない」
「UVカット指数は高ければ高いほどいい」
「いや、UVカット指数が高いと肌に悪い」
「そもそも表示されているUV指数を信用してはいけない」
 
とあまりに様々な見解があって、なにが正しいのかよくわからない状態になっています。
 
 
今回は、成分などから見た『日焼け止めの選び方』について深掘りしていくのですが『ごくフラットに考えたらどうなるか』というスタンスで、ポイントをまとめていきたいと思います。
 
 
 
 

紫外線散乱剤と紫外線吸収剤

紫外線散乱剤と紫外線吸収剤 
日焼け止めのことを話すと避けて通れないのが『紫外線をカットする成分』についての話です。
 
日焼け止めに紫外線をカットする目的で配合されている成分は『紫外線散乱剤』『紫外線吸収剤』の2種類に分かれます。
 
『紫外線散乱剤』は紫外線を肌の表面で鏡のように弾いて防止する成分、『紫外線吸収剤』は紫外線のエネルギーを肌の表面で吸収して無力化する成分、とイメージしてください。
 
 
●紫外線散乱剤
 
肌の表面で紫外線を弾く紫外線散乱剤は『無機物』、わかりやすく言えば『ミネラル』です。ミネラルファンデーションに使われるミネラルそのもので、成分的には次のものがあります。
 
・酸化チタン
・酸化亜鉛
・酸化セリウム
 
チタンは化粧品ではメジャーな成分で、顔料としてメイク品には非常に幅広く使用されています。
 
酸化亜鉛はベビーパウダーの主成分で、おむつかぶれ防止の軟膏などにも配合されていますが、酸化チタンではカットしにくいUV-Aのカット効果にすぐれていて、化粧品でもよく使われています。
 
酸化セリウムは使用感とUVカット効果にすぐれた新しい紫外線散乱剤ですが、使い方が難しいこともあり、まだあまり使われていません。
 
紫外線吸収剤を使わないほとんどの日焼け止めは、酸化チタンと酸化亜鉛を組み合わせてUVカット効果を出しています。
 
 
●紫外線吸収剤
 
紫外線のエネルギーを吸収してUVカット効果を発揮する紫外線吸収剤は『有機化合物』。
正確な言い方ではありませんが、イメージ的には『化学物質』と捉えてください。
 
•メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
•オキシベンゾン
•t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン など
 
紫外線吸収剤は種類が多いのと、あるひとつの成分でも表示の仕方がいくつもあったりするので、化粧品の成分に明るくないと全成分をパッと見ただけではわかりません。
 
また、紫外線散乱剤と違い、化粧品に配合できる量が定められています。
 

 参考:化粧品基準(別表第4が紫外線吸収剤の一覧です)


 
 
 

散乱剤と吸収剤のキャラクター


「ミネラル」と「化学物質」。
 
イメージ的にも随分と違う紫外線散乱剤紫外線吸収剤ですが、実際にそのふたつは物質としてかなり違うものです。
 
 
酸化チタン、酸化亜鉛といった紫外線散乱剤は『粉』であり、液体には溶けません。
 
一方、紫外線吸収剤は液体に溶けるか、そもそも『液状』です。
 
 
紫外線散乱剤だけでUVカット効果を高くしようとすると自然と『粉』をたくさん入れなくてはならないので、UVクリームやUVミルクなら「ぼってり」とした使用感になってきますし、透明なUVローションやUVジェルを作ろうとすると紫外線散乱剤は使えません。
 
最近、オールインワンゲルでスキンケアからUVカットまでできるものがありますが、酸化チタンや酸化亜鉛を入れると顔に白い色がついてしまうので(これだと実質的に化粧下地になってしまいますね)基本的にそういった化粧品には紫外線散乱剤は入っていません。
 
一方、紫外線吸収剤は『液状』です。
UVクリームもぼってりとすることなく、サラッと伸びのいい使用感で作れるのが紫外線吸収剤の最大のメリットです。
 
また、粉状の酸化チタンや酸化亜鉛に比べて、汗や皮脂で落ちにくい、というメリットがあります(逆に言うと、洗って落とすときにはデメリットになりますが…)。
 
「じゃあ、紫外線吸収剤だけで作ればいいのに」と思ってしまうかも知れませんが、そこで出てくるのが有名な『ノンケミカル』や『紫外線吸収剤フリー』という言葉です。
 
 
 
 

ノンケミカルがいいですか?

ノンケミカル 紫外線吸収剤フリー
 
UVカット効果を持つ化粧品には3種類あります。
 
1.紫外線散乱剤紫外線吸収剤を両方使っているもの
2.紫外線吸収剤だけを使っているもの
3.紫外線散乱剤だけを使っているもの
 
このうち、3.紫外線散乱剤だけでUVカット効果を出している化粧品を『ノンケミカル』もしくは『紫外線吸収剤フリー(または紫外線吸収剤不使用)』と呼びます。
 
「ミネラルだけでUVカット効果を出していますよ」ということですね。
 
 
「ケミカル」という言葉は化学物質全般を指す広い意味の言葉で、化粧品には紫外線吸収剤以外にもたくさんの化学物質が使われていますが、化粧品の世界では『ノンケミカル』というと『UVカットに紫外線散乱剤だけを使っている化粧品』を指すのが一般的かと思います。(『ノンケミカル』をUVカット成分にこだわらず『=化学物質不使用』という意味で使っていることもあります)
 
 
※ちなみに少し脇道にそれますが「化学物質」というと、とても悪いイメージがあるものの「化学物質」が意味する範囲は広すぎて、その言葉だけでは健康に対する善し悪しはまったく判断できません。
また、オリーブ油やアルガンオイルなど100%オイルを除いて、化学物質を使っていない化粧品はほぼありません(オーガニック化粧品でも化学物質は使っています)。
 
 Column:無添加化粧品の定義と本質
 
 Column:化粧品の合成界面活性剤あれこれ 
 
 
本題に戻りますが、なぜ『ノンケミカル』や『紫外線吸収剤フリー』という言葉があるのでしょう。
 
想像はつくと思いますが、紫外線吸収剤紫外線散乱剤に比べて、肌に対する刺激が懸念されるためです。
 
たしかに紫外線吸収剤は前にも出てきたように、使っていい成分がリスト化されていますし、配合できる量の上限も決められています。
 
一長一短がある紫外線散乱と紫外線吸収剤。
では、どういう選び方をすればいいでしょう?
 
 
 
 

日焼け止めの肌への影響はどれくらい?

日焼け止め 肌への影響 
「肌への影響なんかより、まずは使用感!」とう方は少数派でしょう、という前提で話を進めますが、日焼け止めを選ぶ際に『肌への影響』を考えなくてはならないことは、はっきりしました。
 
ですがそれでも、
日焼け止め選びが難しい理由があります。
 
その第一は、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の『肌への影響』がどれくらいなのか、実はあまりはっきりとしない、ということです。
 
 
紫外線吸収剤の影響
 
紫外線吸収剤紫外線散乱剤に比べ、肌への刺激があることはわかっていますが、紫外線散乱剤の肌への刺激性があまりに低いため、比較論として紫外線吸収剤が悪者扱いされているところもあります。
 
実は紫外線吸収剤の肌への刺激性は、化粧品に使われる他の防腐剤や安定化剤などと変わらない、という見解もあります。
 
さらに紫外線吸収剤がどれくらいの配合量で入っているかは公開されないため「入っている」というだけで危険度は判定できません。
 
子供用の日焼け止めにも紫外線吸収剤は普通に配合されていますが、それが大規模な健康被害を起こしたことなどはありません。
 
 
紫外線散乱剤の影響
 
無機物のためほとんど刺激はないと言われる紫外線散乱剤ですが、酸化亜鉛は金属アレルギーの人にはよくないと言われています。
 
また、UVカット効果を高くするためには紛体を微粒子化する必要がありますが、微粒子化された酸化チタンは『触媒反応』という作用で肌の老化を早めてしまいます。
 
加えて、ナノレベルまで微粒子化された酸化チタンが肌に浸透して健康被害を引き起こす、ということも懸念されています。
 
微粒子化された酸化チタンは『触媒反応』を起こさないようにコーティングされていたりしますが、この肌への老化作用と、ナノ化された酸化チタンの健康被害について『絶対に安全』という結論は出ていません。
 
 
 
要するに、紫外線散乱剤紫外線吸収剤の安全性は『ノンケミカルです』のひとことでは判断しきれない、ということです。
 
そして第二は、その他の『肌への影響』を考える必要がある、ということ。
 
 
「汗や皮脂に強く、より長時間紫外線を防いでくれる」という視点から見ると、紫外線吸収剤のほうがすぐれている成分に見えます。
 
ですが汗や皮脂に強いということは、通常の洗浄では落とせず、クレンジングなどを使わなくてはならないということ。
これは肌にとってデメリットになります。
 
 Column:クレンジングと乾燥肌
 
一方、そもそも日焼け止めを使う理由は、肌に悪影響を及ぼすUV-AとUV-Bを防止するためですから、クレンジングでしか落とせなかろうが、多少肌に刺激を起こす可能性があろうが、何よりもしっかりとUVカットができることが第一、という考えもあります。
 
 
 
 

シーンと自分に合った日焼け止めを

肌に合う 日焼け止め 
肌のことを考えて紫外線から肌を守らなくてはならないのに、その日焼け止めでも肌のことを考えなくてはならない。
 
日焼け止めは、とても選ぶのが難しいアイテムです。
 
結論として、日焼け止めは『使うシーン』と『ご自分の肌』を考えて選ぶしかありません。
 
毎日炎天下で何時間も遊ぶ子供と、日に2回だけ車で外出するお母さんが同じものを使ってはいけないのです。
 
 
「私は敏感肌」という方は、危険度がわからなくてもノンケミカルのものを選んだ方が無難でしょう。
 
普段使いにするなら、石けんで落とせるものを選んだほうがいいでしょう。(クレンジングが必要なメイクをする方はその必要はありませんが…)
 
「ゴルフや海へ行く」というのならノンケミカルでなくてもクレンジングが必要でも、UVカット効果の高いものを使った方がいいかも知れません。(SPF30~40、PA+++~++++。
それでもしっかり塗り直すようにしましょう)
 
「それほど外で紫外線を浴びない」というのにUVカット効果が高いものを使うのは避けましょう。(危険度がわからないといっても、不必要にUVカット成分を多く塗ることは避けたほうがいいでしょう) 
 
「シミやシワがとても気になるけれど、肌にやさしいほうがいい」というのなら、ノンケミカルで石けんで落とせて毎日使うのに適した日焼け止めを、1日2、3回きちんと塗り直すという方法もあります。
効果をしっかりと出したいのなら薄塗りしないようにしましょう。
 
・前回お話ししたとおり、SPFとPAのバランスはしっかりと見て購入しましょう。
 
 
 
 
《関連Column一覧》
 
日焼け止め おすすめの選び方
 
無添加化粧品の定義と本質
 
化粧品の合成界面活性剤あれこれ
 
クレンジングと乾燥肌
 
 
 
Thanks for reading to the end
 
LABORATORY No.7
 


Top