LABORATORY No.7 あなたはまだ肌の可能性を知らないかもしれない。薬学から生まれた革新のエイジングスキンケア

理想の化粧品を求めて。

理想の化粧品を求めて。

 

理想の化粧品を求めて。 
 
こんにちは。LABORATORY No.7のよっしーです。
 
今日は少し、化粧品開発裏話的な話になるかな、と思います。
 
 
実は、そろそろGEL 10.0をリニューアルする予定です。
(発売は来年の1月か2月になると思います)
 
 
 
『肌のバリア機能のかわりをするジェル』としてGEL 10.0は開発されましたが、その主要成分は『リピジュア』という成分です。
 
リピジュアは人の肌のバリア機能に近い構造をもった成分で、高い生体適合性があり(要は、肌にやさしくて効果に優れている)コンタクトレンズ関連や医療機器関連でも使用されている実績があります。
 
 
まずはリピジュアをできるだけ多く配合したジェルをつくろう、と試作をしたところ、10%を超えた濃度になってくるとベタベタしてしまいました。
 
いくら「効果優先で使用感は気にしない」というブランドポリシーがあっても、ベタベタしたジェルでは毎日使い続けるのがストレスになってしまいます。
 
また、安定性試験を続けていると、試作品のジェルの中に米粒の半分くらいのダマができてきてしまいました。
 
化粧品は試作すると通常3~6ヶ月ほどの安定性試験(いくつかの温度条件で一定期間保存し、分離や変質が起きないかどうかを調べる試験)を行うのですが、成分を高濃度で配合しようとすると、どうしても分離や変質は起きやすくなるのです。
 
幸いなことに、ゼリー状のダマは指で潰せばなくなる程度のもので、ジェルの使用に問題はなかったので、リピジュアを10%の濃度で配合したジェルはこうして完成しました。(ちなみにLOTION 1.25もいくつもの成分を高配合しているので、安定性の面では難儀しました。改良に改良を重ねて試作品をつくってくれたN山さんに、この場を借りて御礼申し上げます)
 
 
さて、リピジュアを中心として開発されたGEL 10.0ですが、リピジュアの補助的な保湿目的で『サクラン』という成分が使われています。
 
サクランは化粧品の成分としては比較的新しい成分ですが、その最大の特徴は「物質としてとっても大きい」ということです。
 
物質の大きさは『分子量』というもので表されますが、サクランの分子量は1,200万~2,000万。
 
化粧品に使われているコラーゲンの分子量が1,000~10,000くらい、人体のコラーゲンが30万、リピジュアが60万、ヒアルロン酸は幅があるようですが100万ほど。
 
サクランは圧倒的に大きく、肌の表面にしっかりとバリアの膜を張ってくれます。
 
また、ヒアルロン酸の10倍の保水力を持っています。
 
 
ですがサクランにはちょっと困ったことがありました。
 
原料の液体の濃度がもともと薄いため、できるだけ濃く配合しようとすると、40%くらいで配合しなければならないのです(リピジュアで10%だったのに…)。
 
私:「ひとつの原料だけで40%のジェルって、いけますか?」
 
N山さん:「いや~どうかなぁ…」
 
そんなことで、あくまでもリピジュアの補助目的の濃度で配合していました(それでも「マスクに塗ればPM2.5をブロックできる」という濃度です。実際にサクランを塗ったマスクがあるのかどうかは知りませんが…)。
 
 
N山さん:「あと、それくらい入れるとかなり高いよ?」
 
私:「まあそれは、いいんです。効果優先で」
 
…あと、化粧品原料としてはとても高価です。
 
 
GEL 10.0を発売して少し経った頃、N山さんが「粉状のサクラン」があるのを見つけてきてくれました。
 
液体と違い、薄まっていない粉状だとサクランをそのままの濃度で配合できます。
 
さっそく、アトピーにさえ効果があると言われる0.2%の濃度でサクランを配合したジェルを試作してもらいました。
 
 
そしてできあがった試作品は、従来のGEL 10.0とまったく違うものになりました。
 
プールの水のように透き通ってサッパリとしたジェルは、0.2%のサクランで泡を含み、黄味を帯びたゆるい寒天状に変わり、従来のGEL 10.0以上の保護性を持つ美容ジェルになっていました。
 
荒れ気味だった上腕の肌に塗ってみると、塗ったほうの腕だけが衣服の繊維ストレスを感じません。
 
 
しかし、いまだかつてこんなジェルは見たことがありませんでした。
 
私:「リピジュアもサクランもがっつりと入っていて、安定性試験は大丈夫ですかね?」
 
N山さん:「まあ、大丈夫じゃない?」
 
 
それから約7ヶ月、N山さんの言うとおり安定性試験を問題なくクリアし、まもなくお披露目できそうな状況まできています。
 
 
「売るためや話題作りのためのリニューアルはしない」というブランドポリシーがあったうえで、自信を持ってリニューアル品をお届けすることができるのが楽しみです。
 
より理想に近い化粧品をお届けできるようにがんばっていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。
 
 


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